【孤独死の特殊清掃費は無料にできる】元警察官への実録インタビュー

【孤独死の特殊清掃費は無料にできる】元警察官への実録インタビュー

2020年05月13日(水)

警察官が語るリアルな事故現場。「孤独死」は物件へのダメージが一番大きい

  • なるほど。調査から特殊清掃までの流れについて理解できました。
    ありがとうございます。
    ところで「孤独死」については、近隣住民が「異臭」に気づいて発見されるケースが多いとよく聞きます。やはり、そういったケースが多いのでしょうか?

  • そうですね。亡くなられた方から放たれる「死臭」は、ほかのものには一切例えられない「特殊な臭い」です。死後3日経過したあたりから発生します。

    「あの家から強烈な臭いがする」といった通報を大家さんや近隣住民の方々から受けて、警察が慌てて駆け付けるといったケースが大半です。外から臭いを嗅いだだけで警察官は「死臭」だとわかります。

  • なるほど…。非常に特徴的な臭いなのですね…!
    「物件への損傷・ダメージ」という観点で見た場合、孤独死・自殺・他殺では、どれが一番大きいのでしょうか。

  • 物件への損傷ダメージが大きいのは、圧倒的に「孤独死」です。
    損傷ダメージ順に並べると孤独死>自殺>殺人になります。
    孤独死の場合、誰にも気づかれずに、1週間以上放置されていることも少なくないため、どんどん腐敗が進行するのです。

    ご遺体の損傷が激しすぎる場合、フローリングを全て取り替えなくてはならないケースもあるんですよ。加えて、部屋中には「強烈な臭い」が充満していますから「オゾン脱臭」を行って臭いを除去しないと、入居者を募集できないこともあります。

  • 孤独死の場合、原状回復に「並々ならぬ作業」が発生するのですね。

  • その通りです。

  • それにしても、お話を聞く限り、現場は凄惨ですね。私だったら、トラウマになってしまうかもしれません…。

  • 新米警察官として、初めて事故現場を担当した当夜は、さすがに眠ることができませんでした。ビジュアル的なインパクトもそうですが、事故現場特有のにおいがきつかったですね。ちょっとやそっとではとれないので、臭いが鼻に焼き付いてしまって。今ではもう慣れましたが…

  • 慣れるものなのですね。自分だったら、慣れる自信がありません…。警察官の方や特殊清掃会社の方には、心底頭が上がりません。

真実を浮き彫りにするために。警察官は「命がけ」で火事現場に向かう

  • 話は変わりますが、「火事現場の調査」についてもお伺いしたいです。火災が起きると、損傷が激しいので「調査の難易度が上がる」と聞いたことがあるのですが、実際はどうなのでしょうか。

  • そうですね。火事現場は「ご遺体の発見が非常に難しい」のが特徴です。
    ご遺体が、真っ黒こげになってしまうので、燃えきった瓦礫(がれき)と見分けがつきにくいのです。不注意でご遺体に損傷を与えてしまったことがあり、それからは、細心の注意を払うようになりました。

  • 瓦礫と見分けがつかないくらいとは…!火事現場の調査のむずかしさを痛感しました。
    足元ももろくなっているでしょうから、警察官の方も命がけでしょうね。

  • そうですね。足元もおぼつかないですから、正直「怖い」という気持ちは大きかったです。しかし、ご遺体をきれいな状態で持ち帰り、検視することで「事件性」に気づけることもあります。ですから、決して手は抜きませんでした。

    たとえば、普段持病の無い方に注射痕があれば「睡眠薬で眠らされた可能性」が浮き彫りになりますよね。そうした証拠が事件解決につながることもある。だからこそ警察官は懸命に調査をするのです。

  • なるほど。火事現場は非常にセンシティブなのですね。警察官の方々のご苦労や並々ならぬ努力についても、よく理解することができました。ありがとうございます。

  • いえいえ、とんでもないです。

不動産会社や特殊清掃業者しか知らない「心理的瑕疵(かし)物件」の真実

  • あともう一つ質問があります。自殺や他殺、孤独死などが起きた物件の場合、次の住人には、その旨を伝える義務があるという話を聞いたことがあります。
    実際のところ、どうなのでしょうか。

  • そうですね。おっしゃる通り、告知義務があります。
    原状回復でキレイになったとしても、事故物件に「住める」人は少数派です。そのため、事故が起こった際には、必ず新しい住人に、告知しなければならないんですよ。

  • やはり、告知義務があるのですね。

  • はい。必ず告知しなければなりません。
    こういった、心理的抵抗が働きやすい物件のことを「心理的瑕疵物件(しんりてきかしぶっけん)」と呼びます。

    事故物件においては、殺人や自殺が起きた物件への「心理的瑕疵」が大きく、「孤独死」が起きた物件については「全く問題視しない人」がほとんどです。

  • 先ほど、物件への損傷という観点では「孤独死」のダメージが一番大きいという話がありましたが、心理的瑕疵の順序とは真逆なのですね!

  • そうなんです。真逆なのですよ。
    損傷ダメージ順に並べると孤独死>自殺>殺人ですが、心理的瑕疵で考えると殺人>自殺>孤独死の順になるのです。
    このことは、世間一般の人は、ほとんど知らないかもしれないですね。

  • そうですね。私自身も、初めて知りました…!

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監修者

宮野 啓一

株式会社ティー・エム・プランニング 代表取締役

国内 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:150件
国内 訳あり物件売買取引件数:1150件
海外 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:30件

※宮野個人の実績件数

宮野啓一

経歴

1964年、東京(六本木)生まれ。叔父・叔母がヨーロッパで多くの受賞歴を持つ一級建築士で、幼少期より不動産や建築が身近なものとして育つ。
日本大学卒業後、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UCI)に入学。帰国後は大手ビルオーナー会社に就職し、不動産売買を行う。
平成3年、不動産業者免許を取得し、株式会社ティー・エム・プランニングを設立。同時期より第二東京弁護士会の (故)田宮 甫先生に師事し20年以上に渡り民法・民事執行法を学ぶ。
現在まで30年以上、「事件もの」「訴訟絡み」のいわゆる「訳あり物件」のトラブル解決・売買の実績を積む。
またバブル崩壊後の不良債権処理に伴う不動産トラブルについて、国内・海外大手企業のアドバイザーも兼務し数多くの事案を解決。
日本だけでなくアメリカや中国の訳あり物件のトラブル解決・売買にも実績があり、国内・海外の不動産トラブル解決に精通。米国には不動産投資会社を持ち、ハワイ(ワイキキ・アラモアナエリア)・ロサンゼルス(ハリウッド・ビバリーヒルズ・サンタモニカエリア)を中心に事業を行う。

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