再建築不可物件とは?メリットから懸念点、売却のマル秘情報までプロが解説!

再建築不可物件とは?メリットから懸念点、売却のマル秘情報までプロが解説!
2023年08月01日(火)

再建築不可物件とは?

再建築不可物件とは法律の規制によって再度建築することができない物件のことを指します。建物は建築基準法に則って建てる必要があり、工事を行う際には建築確認申請を行って建築許可を取得しなければなりませんが、法律に定められた基準を満たしていないと建築許可が下りず再建築不可物件となってしまうのです。再建築不可物件では新築や建て替えはもちろん、建築確認申請が必要となる増改築や移転も不可となります。

特に多いのは接道義務違反です。建築基準法第43条には「都市計画区域内の建築物の敷地は幅員4m以上(地域によっては6m以上)の道路に2m以上接していなければならない」と定められており、これを接道義務と言います。敷地が都市計画区域内もしくは準都市計画区域内にあって、接している道路の幅が4m未満である、接している間口が2m未満である、そもそも道路にまったく接していない場合は、建築許可が下りません。

こうした物件の背景には1950年の建築基準法改正による接道義務の新設にあります。それ以前に建てられた建物が、接道義務が設けられたことによって再建築不可物件になってしまったケースが非常に多いのです。

東京都には約767万戸の住宅が存在していますが、そのうち接道義務違反の物件は全体の約4.7%にあたる36戸軒、つまり21戸に1戸は再建築不可物件ということになります。神奈川県に至っては約450万戸のうち5.7%約26万戸、18戸に1戸が再建築不可物件です。

接道義務違反物件の統計データ
地域 総住宅数 接道義務違反
2都県合計 12,175,100 621,500
※接道2m未満:432,200
※未接道:189,300
東京都 7,671,600 361,200
※接道2m未満:257,400
※未接道:103,800
神奈川県 4,503,500 260,300
※接道2m未満:174,800
※未接道:85,500

出典:総務省統計局 平成30年住宅・土地統計調査 調査の結果

再建築不可物件のメリット3選

再建築不可物件は新築や建て替え、増改築が一切できないので自由度が非常に低いです。そのため、一般的な物件と比較して資産価値も低いとみなされ、売りにくい・活用しづらいという側面もあります。しかし、再建築不可物件に良い点がないわけではありません。再建築不可だからこそ得られるメリットもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

再建築不可物件のメリット3選

販売価格が安い

これは物件の買い手側にとってのメリットです。前述のとおり再建築不可物件は一般的には資産価値が低いとみなされます。逆をいえば、他の物件よりも安く買えるということになるのです。概ね周辺の物件と比較して7割程度、安ければ半額程度で購入することができます

人気エリアに住みたい、駅や会社、学校に近い便利な場所に戸建てを買って住みたいと思っていても、そういったエリアの物件は非常に高額になりがちです。しかし、再建築不可物件であれば手が届くかもしれません。どうしても住みたいエリアが決まっていて、予算内におさまる物件が見当たらない場合、再建築不可物件に着目してみると安くていい物件が見つかる可能性もあります。

最近ではあえて値段が安い事故物件を選ぶ方が増えてきていると言われていますが、同じように人気エリアで再建築不可物件を狙う方も少なからずいらっしゃいます。

固定資産税が安い

土地や建物などの不動産の所有者に対しては毎年固定資産税と都市計画税という税金が課せられます。これらの税額を左右するのは不動産の評価額です。再建築不可物件は評価額が低くなるため、固定資産税や都市計画税の額も安くなるのです。

特に近年では増税や社会保険料の値上がりなどで可処分所得が減っており、それに加えてインフレによって負担は増すばかりです。固定資産税と都市計画税が抑えられれば、それだけでも家計の負担を軽減することができます

特に再建築不可物件を購入する人にとっては、安く戸建住宅を手に入れられて、その上税金の額も抑えられるので、住まいにかかるコストを大幅に削減することが可能です。

賃貸に出せる立地の場合は利回りが良い

再建築不可物件を賃貸戸建物件として第三者に貸し出すという手もあります。前述のとおり安価で仕入れることができて固定資産税や都市計画税も安くなるため、初期投資・ランニングコストともに低く抑えることが可能です。そのため、うまくやれば高い利回りが期待できます。

ただし、これはその物件に需要があるケースに限られます。再建築不可物件は往々にして築年数が古いです。駅チカや周辺の生活施設が充実しているなど、よほど立地が良くなければなかなか借り手が見つかりません。家賃収入が得られず修繕費ばかりがかかって赤字続きという結果になってしまう可能性もありますので注意が必要です

ただでさえ賃貸経営は難しいのですが、再建築不可物件は特に収益が出るかどうかの見極めが困難となります。ただ仕入れが安いだけではギャンブル投資になってしまいかねません。不動産投資のプロでない限りは再建築不可物件を使った賃貸経営はおすすめできません。

再建築不可物件のデメリット5選

上記のように再建築不可物件にはメリットもあるのですが、デメリットのほうが大きいケースが圧倒的に多いです。よほどそのエリアに住むことにこだわっている方か不動産投資に慣れた投資家でない限りは手を出さないほうがいいかもしれません。ここからは再建築不可物件のデメリットを5つ見ていきましょう。再建築不可物件を所有されている方、新たに購入を検討されている方は、必ず以下のことを注意点として押さえておきましょう。

再建築不可物件のデメリット5選

ローンが通りにくい

再建築不可物件を購入する際にはローンが使えないケースも多いです。一般的に住宅ローンを使って金融機関から借り入れをする場合、購入する物件を担保にします。万が一返済ができなくなってしまった場合は、物件を売却して弁済することができるからです。

しかし、再建築不可物件は資産価値が低く、なかなか買い手が見つからない傾向があります。そのため、金融機関から担保として認められない可能性があるのです。年収や勤め先などの属性が良く一般的な物件を購入するなら問題なく審査が通るような方でも、購入する物件が再建築不可となると通らないケースも多々あります。

また、ローンが通りにくいというのは再建築不可物件の売却を考えられている方にとっても大きなデメリットになり得ます。せっかく購入希望者が見つかったとしても、ローンが通らなかったがゆえに破談となってしまう可能性が高くなるからです。現金一括で再建築不可物件を買おうという人はごくごく限られてしまいます。

売却が困難

再建築不可物件は建築許可が必要となる新築や建て替え、増改築や移転ができないため、非常に自由度が低いです。その上築年数が古いので、新築や築浅物件と比較しても見劣りしてしまいます。そのため、どうしても売却が難しくなってしまうのです。

前述のとおり販売価格が安いという理由で選ばれる場合もありますが、それは非常にレアケースであり、大抵は売れ残ってしまいます。売りに出してから数年経過してもまったく反響がないというのもざらです。

不動産会社もこうした実情は知っているので、あまり再建築不可物件の仲介や買取には積極的ではありません。どこに行っても二束三文でしか査定してくれない、一旦契約しても放置される、あるいは相談しても門前払いされて話すら聞いてもらえないケースも少なくありません。これは想像以上にストレスが溜まります。疲弊されている再建築不可物件のオーナーも多いです。

相場価格が周辺に比べて極端に低い

非常に売却がしにくい再建築不可物件。仮に売れたとしても周辺の相場どおりにというわけにはいきません。再建築不可物件は周辺の物件と比較して半額~7割程度にまで価格が下落してしまうのです。

また、売りに出している間にどんどん価格が下がってしまうケースもよくあります。買い手がなかなか見つからず値下げを繰り返して、最終的には二束三文で手放したという方も少なくありません

よほど立地が良いなどの魅力がない限り、普通の不動産会社経由で再建築不可物件を売却しても十分な利益は期待できず、売れるだけマシと思っておいたほうが得策です。

とはいえ、放置していると建物の老朽化がどんどん進んでしまうため、早めに手を打ったほうがいいことには変わりありません

倒壊しても建て直せない

再建築不可物件は倒壊してしまったら最後、建て替えや改築は不可能です。たとえ災害などの不可抗力が原因で倒壊してしまったとしても、接道義務を満たしていない限り建築許可が下りることはありません。

前述のとおり、再建築不可物件は1950年以前に建てられたものが多いです。当時は耐震基準も今と比較するとゆるく、さらに築70年以上経過していれば建物の劣化も相当進んでいるため、地震や台風などの災害で倒壊するリスクが格段に高くなります

一度倒壊してしまうとどうすることもできず、更地にするしかありません。また、倒壊によってご自身や周辺の住民が怪我をしたり命の危険が生じたりするリスクが高まることにも注意が必要です。

更地になった場合は固定資産税が6倍

建物の老朽化が進んでいるから、損傷したからといって更地にしてしまうと、固定資産税や都市計画税の額が跳ね上がってしまいます。前述のとおり再建築不可物件は税金が安いのがメリットです。それには評価額が低いという要因のほかに、特例が設けられているという背景もあります。

不動産を住宅として使っている場合、住宅用地の特例が適用され、固定資産税や都市計画税が減額されるのです。しかし、建物を解体してしまうとこの特例が受けられなくなってしまい、最大で6倍も税金が高くなってしまいます。

また、一度更地にしてしまえば、再建築不可状態を解消しない限り二度と建物を建てることができません。税金が高い上に使い道がない土地を所有し続けることになってしまいます。解体を考えられているのであれば、慎重に検討した上で判断しましょう。

再建築不可物件の活用方法

分岐以上のように再建築不可物件を売却するのは非常に難しいのが実情です。実際に多くの方が売却をあきらめてやむなく物件を維持し続けています。再建築不可物件が売れなければご自身で活用するしかありません。それにしてもやはり一般的な物件と比較するとどうしてもハードルが上がってしまいますが、以下のような方法で活用できる可能性があります。

再建築不可を再建築可能にする

再建築不可物件でも接道義務を満たして再建築可能な状態にさえすれば、問題なく新築や建て替え、増改築ができるようになります。たとえば接している道路が幅員4m未満である場合、自分の土地をセットバックさせて、その分を行政に明け渡して道路としてみなしてもらえば、建築許可が下りる可能性があります。セットバックについては「再建築不可物件をセットバックすると建て替え可能になる?全貌を徹底解説」で詳しくご紹介しています。

他にも道路とまったく接していない場合、旗竿地などで接道部分が狭い場合は、隣地を買収して合筆することで接道義務を満たすことも可能です。接している道が私道である場合は但し書き道路の申請や道路の位置指定申請を行うことで、再建築不可状態が解消できる可能性があります。

再建築不可の裏ワザや抜け道を専門家が徹底解説! ~賢く得するためには~」では再建築不可物件を再建築可能にする裏技を多数ご紹介しておりますので、ぜひこちらの記事もご覧ください。

再建築不可物件の土地を活用する

再建築不可物件を一度更地にしてしまい、土地を活用するという手段もあります。たとえば駐車場や駐輪場にする、資材置き場にする、太陽光発電所を設ける、家庭菜園にするといった方法が挙げられます。コインパーキングにしたり資材置き場として他人に土地を貸し出したり、太陽光で発電した電気を電力会社に売却するといった活用方法を選択することで利益が得られるかもしれません。

再建築不可の土地はこうしよう~様々な活用方法の現実~」ではさまざまな再建築不可の土地活用法と注意点についてご紹介しています。

コンテナハウスを建てるというのも手です。一定の条件内であれば建築許可申請は要りませんコストも建物を建てるよりは安く、倉庫や店舗として活用するか第三者に貸し出せば利益が得られる可能性もあります。コンテナハウスについて詳しく知りたい方は、「再建築不可の活用 ~コンテナハウスの設置はおすすめできるのか~」をご覧ください。

似たような活用方法としてトレーラーハウスの設置というのもあります。トレーラーハウスとはその名のとおりトレーラー(牽引して動かす貨車)を転用したものです。条件によっては「車両を利用した工作物」という扱いになり、建築許可申請が不要となります。やはり建物を建てるよりは低コストで、倉庫や店舗、貸し物件として活用することが可能です。「再建築不可の活用 ~トレーラーハウスの設置はおすすめできるのか~」で詳しく解説しています。

再建築不可物件をリフォームする

再建築不可物件でもたとえば壁紙や床材の張替えや設備の入れ替え、壁や屋根、柱などの補修といったリフォームは可能です。ただし、建築許可申請が不要な範囲に限られます。間取りを大幅に変更する、構造部を半分以上交換するといった大規模な修繕やリノベーション・フルリフォームは建築許可申請が必要です。

また、木造2階建てで延べ面積が500m²以下の建物、いわゆる4号建築物と呼ばれる建物であれば、建築確認申請が不要なため、リノベーション・フルリフォームも可能です。

ただし、リフォームをするためには費用が必要です。制限も多いため、あまり現実的な方法とはいえません。「再建築不可のリフォームが無駄になる理由 ~知らなきゃ損する考え方~」で再建築不可物件のリフォームに関する注意点を詳しく解説しています。

所有者必見!再建築不可物件を売却する方法

先ほどから再建築不可物件は売りにくいということを説明していますが、まったく売れないというわけでもありません。

そもそも不動産を売却する方法としては「不動産仲介会社を通じて物件を購入したい人に売却する」方法と「不動産買取業者に直接物件を売却する」という2つの方法があります。

特に後者のほうが再建築不可物件をスムーズに売却できる傾向があります。不動産仲介会社の場合は住居を探している人や不動産投資家など、物件の購入者を探さなければなりません。不動産買取業者の場合は、業者に買取る意向があれば、すぐに売却することができるのです。わざわざ苦労して買い手を見つける必要はありません。

ただし、やはり再建築不可物件の場合は買取を断る、あるいは安値でしか買い取ってもらえない業者も多いです。再建築不可物件に特化した買取業者を選びましょう。

詳しくは「知らないと大損! 再建築不可物件の正しい売却方法」をご覧ください。

【注意】売却時には契約不適合責任に気をつけろ!

再建築不可物件を売却する際には契約不適合責任に注意しましょう。契約不適合責任とは、引き渡したものが契約の内容と異なっている場合に売り主が買い主に対して負う責任のことです。

たとえば物件に瑕疵(不具合)がないとして売買契約を結び、買い主が入居した後に雨漏りやシロアリ被害などが発覚した場合、買い主は売り主に対して損害賠償や減額、追完、契約解除などを請求することができます。契約不適合責任を問われて多額の損害賠償を支払い、売却益を得るどころが赤字になってしまったというケースも少なくありません。特に築年数が古い再建築不可物件はそういったトラブルが起こるリスクが高いです。

仲介は一般の消費者が買い手になるため、必ず契約不適合責任を負うことになります。物件を売却する場合は「【弁護士も頼る専門家が解説】仲介を検討中の方!契約不適合責任に要注意!~再建築不可物件の恐怖~」で契約不適合責任についてしっかりと理解を深めておきましょう。

また、買取業者の場合も契約不適合が免責になっていない場合は要注意です。契約不適合責任を盾に業者が「瑕疵が見つかった」と言いがかりをつけ物件を買い叩いたり損害賠償を請求したりする事例もあります。買取業者に再建築不可物件を売却する際の注意点は「【弁護士も頼る専門家が解説】買取業者へ売却!契約不適合責任に要注意!~再建築不可物件の恐怖~」でご確認ください。

さらに必見!できる限り高値をつけてくれるところに売却したい!

ガッツポーズ上記のような注意点はわかるけど、それでもできるだけ高値で買い取ってくれる会社に依頼したいというのが人情というものです。二束三文にしかならないことはわかっているけど、少しでも高値で再建築不可物件を売りたい……そんな想いがございましたら、ぜひ訳あり物件買取センターにご相談ください。

弊社は再建築不可物件をはじめ訳あり物件に特化した取引に30年以上携わってきました。物件の活用ノウハウや充実した販路があるため、普通の不動産会社では断るような物件も高値での買取が可能です契約不適合責任は完全に免責です。リフォームや解体、セットバックなども不要で、そのまま物件をお譲りいただけます。査定は最短1日で完了、売買契約成立後最短でその日のうちに現金をお支払い可能です

再建築不可物件の買取についてはこちらのページで詳しくご説明しています。再建築不可物件の売却や活用でお悩みなら、ぜひ検討してみてください。

監修者

宮野 啓一

株式会社ティー・エム・プランニング 代表取締役

国内 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:150件
国内 訳あり物件売買取引件数:1150件
海外 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:30件

※宮野個人の実績件数

宮野啓一

経歴

1964年、東京(六本木)生まれ。叔父・叔母がヨーロッパで多くの受賞歴を持つ一級建築士で、幼少期より不動産や建築が身近なものとして育つ。
日本大学卒業後、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UCI)に入学。帰国後は大手ビルオーナー会社に就職し、不動産売買を行う。
平成3年、不動産業者免許を取得し、株式会社ティー・エム・プランニングを設立。同時期より第二東京弁護士会の (故)田宮 甫先生に師事し20年以上に渡り民法・民事執行法を学ぶ。
現在まで30年以上、「事件もの」「訴訟絡み」のいわゆる「訳あり物件」のトラブル解決・売買の実績を積む。
またバブル崩壊後の不良債権処理に伴う不動産トラブルについて、国内・海外大手企業のアドバイザーも兼務し数多くの事案を解決。
日本だけでなくアメリカや中国の訳あり物件のトラブル解決・売買にも実績があり、国内・海外の不動産トラブル解決に精通。米国には不動産投資会社を持ち、ハワイ(ワイキキ・アラモアナエリア)・ロサンゼルス(ハリウッド・ビバリーヒルズ・サンタモニカエリア)を中心に事業を行う。

対象エリア東京都・神奈川県

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