再建築不可物件の活用方法とは?今ある家を生かす選択肢と注意点

再建築不可物件の活用方法とは?今ある家を生かす選択肢と注意点

「建て替えができない家を、この先どう使えばよいのか分からない」「住み続けたいけれど、修繕費や今後の生活資金も気になる」と悩んでいませんか。再建築不可物件は、建物を取り壊すと新しい家を建てられないため、活用の幅が限られます。それでも、今ある建物を生かせば、住む、直す、貸すといった選択肢があります。家を売却してまとまった資金を受け取り、そのまま住み続ける方法もあります。ただし、方法ごとに費用や手間、向いている人は異なります。どの方法を選ぶにしても、物件の状況を把握しておくことが大切です。この記事では、再建築不可物件そのものの活用方法と、活用する前に確認したいことを詳しくお伝えします。

この記事のポイント

  • 再建築不可物件でも、今ある建物を生かした活用方法はある

    そのまま住み続ける、リフォームする、賃貸に出すといった選択肢があります。それぞれ費用や手間が異なるため、自分の状況に合う方法を選ぶことが大切です。

  • 家を売却して資金を得ながら、そのまま住み続ける方法もある

    売却後は家賃を払い、賃貸として同じ家に住み続けます。払える家賃の額によって、買取価格などの条件が変わります。

  • 物件の状況を書面で整理すると、活用も売却も進めやすくなる

    接道の状況、建物の状態、境界を書面で確認しておくと、工事や契約の判断がしやすくなります。買い手が限られる物件でも、状況が明確であれば売却を進めやすくなります。

そもそも再建築不可物件とは?

接道義務を満たしていない土地の例

再建築不可物件とは、今ある建物を取り壊すと、新しく建物を建てられない土地に建つ物件のことです。主な原因は、建築基準法で定められた接道義務(建物の敷地が道路に接していなければならないルール)を満たしていないことです。

建築基準法43条では、建物の敷地は「建築基準法上の道路」に2m以上接していなければならないと定めています。この道路は、原則として幅が4m以上必要です(建築基準法42条)。道路に接する部分が2mに満たない土地や、そもそも道路に接していない土地では、建て替えの許可が下りません。

ただし、今ある建物に住み続けることや、修繕して使うことは認められています。

再建築不可物件を活用する前の注意点

再建築不可物件は、一般的な住宅と同じようには扱えない点があります。工事、維持費、資金の借り入れの制限を知らずに計画を立てると、工事ができない、資金が足りないといった問題が後から分かることがあります。ここでは、活用する前に押さえておきたい3つの注意点を解説します。

建て替えや大規模な工事ができない

再建築不可物件では、建物を取り壊して新築することはできません。骨組みに手を加える大きな工事も、建築確認(工事の計画が法律に合っているかを審査する手続き)が必要な場合は難しくなります。

【注意】2025年4月の建築基準法改正
改正前は、木造2階建て以下・延べ面積500㎡以下の小規模な住宅であれば、大規模な修繕や模様替えでも建築確認申請が不要でした。改正後は、木造2階建てや延べ面積200㎡を超える建物などが新たな区分となり、大規模な修繕・模様替えでも申請が必要です。申請時には省エネ基準への適合も求められ、審査は厳格になっています。

なお、水回りのみの交換など、従来どおり確認が不要な工事もあります。再建築不可物件のリフォームは、以前より慎重に判断する必要があります。

老朽化による修繕費がかかる

再建築不可物件は、建て替えで建物を新しくできないため、修繕しながら使い続けることになります。築年数の古い建物が多く、屋根や外壁、水回りの傷みが進んでいる場合もあります。

修繕費の目安は、外壁や屋根の塗装で100万円前後、水回りの交換で数十万円から100万円前後です(要確認)。道が狭く工事車両が入れない立地では、資材の運搬に手間がかかり、費用が高くなる傾向があります。

住宅ローンが組みにくい

再建築不可物件は、建て替えができないため、金融機関から担保としての価値が低く見られる傾向があります。そのため、物件の購入やリフォームの資金として住宅ローンを利用しようとしても、審査が通りにくい場合があります。 この影響は売却時にも表れます。買い手もローンを組みにくいため、現金で購入できる人や不動産会社などに買い手が限られやすくなります。活用の資金を借り入れで用意できるか、早めに金融機関へ確認しておくことをおすすめします。

再建築不可物件そのものの活用方法

再建築不可物件でも、今ある建物を生かせば、さまざまな活用方法があります。ここでは、建物そのものを使う4つの方法を紹介します。自分で住むか、人に貸すか、売却して資金に換えるかによって、選ぶ方法は変わります。初期費用や手間、向いている人はそれぞれ異なるため、比較しながら自分に合う方法を検討しましょう。

活用方法 費用・収入 向いている人
そのまま住み続ける 費用はほぼかからない 住み慣れた環境を変えたくない人
リフォームして住む 工事費がかかる 傷みが進んでいて、長く住みたい人
賃貸に出す 修繕費と管理の手間がかかる。家賃収入あり 自分は住まず、賃貸需要のある地域の人
売却して住み続ける 売却代金を受け取れる。毎月の家賃が発生 資金が必要だが、引っ越したくない人

そのまま住み続ける

最も手軽なのは、今の建物にそのまま住み続ける方法です。新たな工事や契約が必要ないため、初期費用をかけずに住まいを維持できます。住み慣れた環境を変えたくない人に向いています。

ただし、建物の傷みを放置しないことが大切です。雨漏りやシロアリの被害は、気づかないうちに骨組みまで傷めることがあります。定期的に点検し、小さな傷みのうちに修繕しておくと、住み続けられる期間を延ばしやすくなります。

リフォームして住む

建物の傷みが進んでいる場合は、リフォームして住み続ける方法もあります。壁紙や床の張り替え、水回りの設備交換など、建築確認が必要ない範囲の工事であれば、再建築不可物件でも行えます。

前述の2025年4月の法改正により、建物によっては大規模な修繕や模様替えが建築確認の対象になりました。予定している工事が対象にならないかを、事前に確認する必要があります。再建築不可物件の工事に詳しい施工会社に相談することをおすすめします。

賃貸住宅として貸し出す

自分が住まない場合は、賃貸住宅として貸し出し、家賃収入を得る方法があります。再建築不可物件は固定資産税が比較的低い傾向にあるため、駅に近いなど賃貸の需要がある地域では検討しやすい方法です。

一方で、貸し出す前に、入居者が安全に暮らせる状態に整える必要があります。修繕費がかかるうえ、入居者が見つからなければ収入は得られません。貸し出した後も設備の故障対応などの管理が続き、管理会社に任せる場合は管理委託料がかかります。

売却して資金を得ながら住み続ける

ここまでの方法は、いずれも修繕費などの出費が伴います。老後の生活費など、まとまった資金が必要になる場面もあるでしょう。住まいを変えずに資金を確保したい場合は、家を売却し、そのまま住み続ける方法も選択肢になります。

この方法では、家を買取会社などに売却して代金を受け取り、同時にその会社と賃貸借契約を結びます。所有権は買主に移るため、固定資産税を払う必要はなくなり、代わりに毎月の家賃が発生します。

引っ越しの必要がなく、住み慣れた環境を変えずに済みます。近所の人に売却を知られにくい点も特徴です。ただし、再建築不可物件は買い手が限られるため、この方法に対応できる会社も限られます。

売却後も住み続ける方法の仕組み

家の売却と賃貸借契約の仕組み

売却後も住み続ける方法は、家の「売却」と「賃貸借」の2つの契約を組み合わせた取引です。売却価格だけでなく、家賃や住み続けられる期間も、生活に大きく関わります。仕組みを理解しないまま契約すると、家賃の負担や退去の時期で思わぬ問題が生じることがあります。ここでは、契約を検討する前に知っておきたい仕組みを解説します。

毎月の家賃と買取価格の関係

買取会社は一般的に、買い取った家の家賃収入で、買取にかかった費用を回収することを考えます。そのため、家賃は買取価格をもとに決められることが多く、両者は連動します。

買取価格を高くすると、毎月の家賃も高くなりやすい関係です。反対に、毎月の家賃を低く抑えたい場合は、買取価格が低くなりやすくなります。

受け取りたい金額と、無理なく払い続けられる家賃のバランスを考えて、条件を決めることが大切です。

住み続けられる期間の決まり方

住み続けられる期間は、売却と同時に結ぶ賃貸借契約の種類によって決まります。主な種類は、普通借家契約(期間満了後も原則として更新される契約)と、定期借家契約(借地借家法38条に基づく、更新のない契約)の2つです。

定期借家契約では、期間が満了すると更新されずに契約が終わります。引き続き住むには貸主との合意による再契約が必要で、再契約できなければ退去しなければなりません。

契約の種類と期間は、必ず書面で確認しましょう。

契約前に確認しておきたいこと

契約の前には、家賃や期間のほかにも確認しておきたい点があります。主な項目は次のとおりです。

  • 家賃の見直し:契約期間中に家賃が上がる可能性があるか
  • 修繕費の負担:設備が壊れたときに、修理費を誰が払うか
  • 買い戻し:将来、家を買い戻せるか。その場合の価格の決め方
  • 中途解約:途中で退去する場合に、違約金がかかるか

【注意】令和8年10月1日から国のガイドラインが施行されています

国土交通省は令和8年7月に、住宅を売却して住み続ける取引について、宅地建物取引業法の解釈を示すガイドラインを策定しました。宅地建物取引業者は、売却の内容だけでなく、賃貸借の内容についても、売主の判断に重要な影響を及ぼす事実を告げずに勧誘することが禁止されます。説明に不明な点があれば、契約前に必ず質問しましょう。

参考リンク:国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」

活用前に物件の状況を整理しよう

どの活用方法を選ぶ場合でも、まず物件の状況を正確に把握することが大切です。接道の状況、建物の状態、土地の境界の3点を書面で整理しておくと、工事や契約の判断がしやすくなります。施工会社や買取会社に相談するときも、話が早く進みます。売却を検討する場合も、状況が明確な物件は、買い手が限られる中でも取引を進めやすくなります。

確認すること 主な書類・資料 取得先・相談先 分かること
接道の状況 道路台帳、公図 市区町村の建築指導課などの窓口 道路の種類(2項道路かどうか)、敷地の形
建物の状態 建物状況調査(インスペクション)の報告書 建築士などの専門家 骨組みや雨漏りの状態、修繕が必要な箇所
境界 地積測量図、境界確認書(筆界確認書) 法務局、土地家屋調査士 隣地との境界が確定しているか

接道の状況を確認する

まず、敷地がどのような道に、どれだけ接しているかを確認します。目の前の道が見た目には道路でも、建築基準法上の道路として扱われていない場合があります。反対に、幅が4m未満の道でも、2項道路(建築基準法42条2項により、道路とみなされる幅4m未満の道)に指定されていれば、建て替えができる可能性があります。

接道の状況は、市区町村の建築指導課などの窓口で確認できます。道路の種類が分かる道路台帳や、敷地の形が分かる公図などの資料を取り寄せておきましょう。窓口で確認した内容は、日付や担当部署とあわせてメモに残しておくと、後で活用や売却を相談するときに役立ちます。

書面で接道の状況を示せれば、施工会社や買取会社も、どのような工事や取引ができるかを判断しやすくなります。

建物の状態を確認する

次に、建物の傷み具合を確認します。自分で見て分かる範囲には限りがあるため、建物状況調査(建築士などの専門家が、建物の骨組みや雨漏りの有無などを目視で調べる調査)を利用する方法があります。一般的にはインスペクションとも呼ばれます。

建物状況調査では、基礎や柱、屋根、外壁など、建物の安全性や雨水の浸入に関わる部分を中心に調べ、結果を書面で受け取れます。費用は一般的に5万円前後からが目安です。

調査の結果が書面であれば、修繕が必要な箇所と、その優先順位が分かります。賃貸に出す場合は、入居者を迎える前にどこを直すべきかの判断材料になります。売却する場合も、建物の状態を買主に説明しやすくなるため、売却後のトラブルを防ぐことにつながります。

境界を確認する

最後に、隣の土地との境界がはっきりしているかを確認します。再建築不可物件が多い住宅密集地では、境界を示す杭(境界標)がなくなっていたり、塀の位置と実際の境界がずれていたりする場合があります。

境界が確定しているかどうかは、法務局で取得できる地積測量図や、隣地の所有者と取り交わした境界確認書(隣地の所有者と境界の位置を確認し合ったことを示す書面)の有無で判断できます。これらの書類がない場合は、土地家屋調査士に依頼して測量し、隣地の所有者の立ち会いのもとで境界を確定する方法があります。

境界が確定していないと、塀の修繕や工事で隣地とトラブルになることがあります。売却の際も、境界があいまいな物件は買主が見つかりにくくなる傾向があります。

再建築不可物件のご相談は「訳あり物件買取相談所」へ

不動産売却の相談と契約

再建築不可物件は、建て替えができないことから、活用にも売却にも制限があります。「修繕費をかけて住み続けるべきか」「売却したほうがよいのか」と、判断に迷う方も少なくありません。

訳あり物件買取相談所では、東京都・神奈川県を中心に、再建築不可物件の買取を行っています。当社が直接買い取るため、買い手探しを待つ必要がありません。活用と売却のどちらがよいか迷っている段階でも、ご相談いただけます。

売却後も住み続けたい方もご相談ください

「まとまった資金は必要だが、住み慣れた家から離れたくない」という方もいらっしゃいます。訳あり物件買取相談所では、再建築不可物件を売却したあとも、そのまま住み続けたいというご相談も承っています。

売却後も住み続ける場合は、毎月お支払いいただける家賃の額によって、買取価格などの条件が変わります。ご希望の受取額や、無理なく払える家賃の額をお聞きしたうえで、条件をご提案します。まずは条件を知りたいという方も、お気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q1. 再建築不可物件でもリフォームはできますか?
建築確認が必要ない範囲の工事であれば、リフォームできます。壁紙や床の張り替え、キッチンや浴室などの設備交換が代表的です。2025年4月の法改正により、木造2階建ての住宅などでは、大規模な修繕や模様替えに建築確認が必要になりました。工事の範囲は、施工会社に事前に確認しましょう。

Q2. 再建築不可物件を賃貸に出すとき、入居者に伝えることはありますか?
不動産会社を通じて貸し出す場合、入居者への重要事項の説明で、物件の法令上の制限などが伝えられます。再建築不可であることも、入居者の判断に関わる情報です。後のトラブルを防ぐため、物件の状況は事前に不動産会社へ正確に伝えておきましょう。

Q3. 売却して住み続けたあと、将来買い戻すことはできますか?
契約によっては、将来買い戻せる取り決めを設けられる場合があります。ただし、買い戻しの価格は売却価格より高くなることが一般的です。買い戻しを希望する場合は、可否や価格の決め方、期限を契約前に書面で確認しましょう。

まとめ

再建築不可物件でも、今ある建物を生かせば、住み続ける、リフォームする、賃貸に出すといった活用方法があります。資金が気になる場合は、家を売却してそのまま住み続ける方法も選択肢です。払える家賃によって買取価格が変わるため、契約の種類や期間とあわせて確認しましょう。接道の状況、建物の状態、境界を書面で整理しておくと、判断を進めやすくなります。

訳あり物件買取相談所では、再建築不可物件も含め、さまざまな訳あり物件の買取を行っています。査定額から金額を変えることなく、最短即日での現金化も可能です。再建築不可物件の活用や売却にお悩みの方、売却後も住み続けたいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

監修者

宮野 啓一

株式会社ティー・エム・プランニング 代表取締役

国内 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:150件
国内 訳あり物件売買取引件数:1150件
海外 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:30件

※宮野個人の実績件数

宮野啓一

経歴

1964年、東京(六本木)生まれ。叔父・叔母がヨーロッパで多くの受賞歴を持つ一級建築士で、幼少期より不動産や建築が身近なものとして育つ。
日本大学卒業後、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UCI)に入学。帰国後は大手ビルオーナー会社に就職し、不動産売買を行う。
平成3年、不動産業者免許を取得し、株式会社ティー・エム・プランニングを設立。同時期より第二東京弁護士会の (故)田宮 甫先生に師事し20年以上に渡り民法・民事執行法を学ぶ。
現在まで30年以上、「事件もの」「訴訟絡み」のいわゆる「訳あり物件」のトラブル解決・売買の実績を積む。
またバブル崩壊後の不良債権処理に伴う不動産トラブルについて、国内・海外大手企業のアドバイザーも兼務し数多くの事案を解決。
日本だけでなくアメリカや中国の訳あり物件のトラブル解決・売買にも実績があり、国内・海外の不動産トラブル解決に精通。米国には不動産投資会社を持ち、ハワイ(ワイキキ・アラモアナエリア)・ロサンゼルス(ハリウッド・ビバリーヒルズ・サンタモニカエリア)を中心に事業を行う。

対象エリア東京都・神奈川県

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