再建築不可でもローンは組める ~否定されすぎな再建築不可物件購入~

再建築不可でもローンは組める ~否定されすぎな再建築不可物件購入~
2022年10月14日(金)

一般的に高額な不動産を購入する際にはローンを利用しますが、再建築が認められていない再建築不可物件でも住宅ローンは利用できるのでしょうか?
再建築不可物件だからお金が借りられないということはあるのでしょうか?

今回は再建築不可物件を購入する際に使えるローンの種類や、借入時の注意点についてご説明します。
再建築不可物件の購入を考えられている方にも、再建築不可物件の売却を検討されている方にも、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。

再建築不可物件は住宅ローンが組みにくい

結論から言うと再建築不可物件は一般的な不動産と比較して住宅ローンが組みにくいのが実情です。
企業や官公庁に勤めていて勤続年数が長く、収入もそれなりにある方が普通に家を建てるのであれば、住宅ローンの審査に通る可能性は高いです。

しかし、再建築不可物件を購入するとなると、その人の属性が審査基準を満たしていたとしても、借り入れができないケースがあります
その理由として「再建築不可物件が担保として価値が低い」ということと、「金融機関にとって返済してもらえないリスクが高い」という2点が挙げられます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

担保としての価値の低さ

住宅ローンで借り入れをする際には、購入する不動産を担保にするのが一般的です。
仮に返済できなくなってしまった場合は、その不動産によって金融機関に弁済します。
しかし、担保に入れる不動産は弁済できるだけの価値があることが前提です。

一般的に再建築不可物件は不動産としての価値が低いとみなされます。
金融機関からすれば、担保となった再建築不可物件を売却したとしても安値でしか売れず、債権を回収できずに貸し倒れになるリスクが高くなってしまいます
故に、再建築不可物件は担保として認められないケースも多いのです。

返済リスクの高さ

担保の価値が低いことに加え、債務者(再建築不可物件の購入者)自体の返済リスクが高いことも理由として挙げられます。
たとえば、購入した物件が火災や自然災害などの被害を受けたとします。
再建築不可物件は再建築ができないため、債務者は家を失うことになります。
そうなれば、賃貸物件に引っ越さなければなりません。

債務者は住宅ローンを抱えつつ、家賃も支払わなければいけないため、生活が困窮して返済が滞ったり破産してしまったりするおそれがあります

再建築不可物件の購入で融資をうけるには

  • 1.ノンバンクローンの利用
  • 2.フリーローンの利用
  • 3.不動産担保ローンの利用
  • 4.リフォームローンの利用
  • 5.再建築可能の物件にする

上記のように貸し倒れに遭うリスクが高くなるため、金融機関はあまり再建築不可物件の購入者にお金を貸したがりません。
しかし、他にも資金調達する方法はいくつかあり、再建築不可物件の購入者でも融資が受けられる可能性があります
ここからは銀行以外で融資を受ける方法について見ていきましょう。

1.ノンバンクローンの利用

まず挙げられるのがノンバンク、いわゆる銀行以外の金融会社からお金を借りることです。
クレジットカード会社や消費者金融などが当てはまります。

審査基準は銀行よりもゆるい傾向があり、再建築不可物件の購入者でもお金を貸してくれることがありますが、金利が高いのがデメリットです
銀行の場合は年利0.5%という低金利でお金を借りることができますが、ノンバンクの場合は4~5%ほどが平均です。

また、審査基準はゆるめですが、やはり審査時に物件を見られることがあり、あまりにも状態が良くないと貸し倒れのリスクが高いとみなされて審査に落ちてしまうことがあります。
頭金が求められるケースもあり、その場合はある程度の自己資金を用意しなければなりません。

2.フリーローンの利用

「住宅ローン」「自動車ローン」というように、ローンには使い道が指定されていて、たとえば住宅ローンの場合は住宅を取得する場合にのみ融資を受けることができます。
「フリーローン」とはその名の通り自由に使えるローンです。

こちらも住宅ローンと比較すると審査はゆるい傾向がありますが、金利が高く、ノンバンクと同様に4~5%程度の利息を支払わなければなりません
また、審査に時間がかかる、追加の借り入れができないなどのデメリットもあります。

3.不動産担保ローンの利用

不動産担保ローンとはすでに所有している不動産を担保にして融資を受けることです。
購入する再建築不可物件以外の、資産価値が認められる不動産を担保にすることで、ローンを利用することができます。

不動産担保ローンを利用すればノンバンクやフリーローンよりも低金利で融資を受けることが可能です。
ただし、そもそも再建築不可物件以外に自宅や土地などの不動産を所有していることが前提となります
また、仮にローンの返済が残っている自宅を担保に入れる場合、自宅の残債と新たに借り入れた再建築不可物件分のローンの返済という多重債務状態になるため、かなり資金繰りが厳しくなってしまいます。
仮に返済が滞ればすべての不動産を失ってしまうことにもなりかねないため、リスクが高い方法です。

4.リフォームローンの利用

リフォームローンはその名のとおりリフォームを用途としたローンです。
再建築不可物件を購入した後にリフォームする場合、あるいはすでに所有している再建築不可物件をリフォームする場合に使えます。

住宅ローンと比較すると審査はゆるめですが、その分借入限度額も500~1,000万円と低めなのがデメリットです
再建築が認められない再建築不可物件であってもリフォームは可能で、リフォームローンを使って内装や設備を新しくしたり、不具合箇所を修繕したりすることで、十分住めるようになる可能性があります。
ただし、建物の構造を大幅に変えるようなフルリフォームや増築、改築はできません

5.再建築可能な物件にする

再建築不可物件を再建築可能な状態にすれば、住宅ローンを普通に利用できる可能性があります。
再建築不可物件で建て替えや新築が認められていないのは、建築基準法の「接道義務」を満たしていないからです。
たとえば道路に接している隣の土地の全部もしくは一部を買収して合筆することで、接道義務を満たせる可能性があります。
接している道路の幅が狭い場合は、セットバック(土地を後退させること)でクリア可能です

ただし、隣地の買収に費用がかかったり、セットバックして土地が狭くなってしまったりなどのデメリットもあります。

再建築不可物件はローンを組んでまで購入するべき?

銀行のローンが使えなかったとしても、以上のような方法で借り入れをして再建築不可物件を購入できるかもしれません。
しかし、そもそもローンを組んでまで再建築不可物件を購入する必要はあるのでしょうか?

再建築不可物件を購入すべきかどうかは目的や物件の程度によります。
どの程度費用を抑えたいのか、どこまでリスクを許容できるかなどを総合的に考えて判断しましょう。

ここからはあえて再建築不可物件を購入することで得られるメリットと注意点についてご説明します。

購入金額が安い

まず挙げられるのは購入金額が安いという点です。再建築不可物件は周辺の一般的な物件と比較して3割~半額ほど安い傾向があります。
ノンバンクやフリーローンなど金利が高い方法を選択したとしても、普通の物件を住宅ローンで購入するよりトータルで出費を抑えられるかもしれません。

どうしても住みたいエリアで物件が見つからない、普通の物件は高くて購入できない、とにかく安く不動産を購入したい、不動産投資をしたいけど元手をかけたくないという方にとっては、再建築不可物件は選択肢の一つとして入れておくのも良いでしょう

固定資産税・都市計画税が安い

固定資産税や都市計画税の額は物件の価値によって決まります。
資産価値が低いとみなされる再建築不可物件は、その分固定資産税・都市計画税が安くなり、出費を抑えられる可能性があります。

やはり住みたいエリアの税額が高い、なるべく出費を抑えたい、不動産投資でランニングコストを抑えたいという方は、再建築不可物件という選択肢もありなのかもしれません。

【注意】押さえておくべきポイント

一般的な不動産よりも安く購入できて、固定資産税や都市計画税も抑えられる可能性が高い再建築不可物件ですが、安いのにはそれなりの理由があります。
ここからは再建築不可物件を購入する際に注意すべきポイントについてご説明します。

再建築できない

まずは何といっても再建築が認められないという点に注意しましょう。
前述のとおり、再建築不可物件は建築基準法で定められた接道義務を満たすことができないため、新築や建て替えはもちろん、増築や改築もできません。
さらに、建物の構造を大きく変えるようなリフォームについても建築許可が下りないため不可となります。

できることといえば、壁紙や床材などの内装を交換する、キッチンや浴槽、トイレなどの設備を入れ替えるといった、部分的なリフォームのみです。

仮に火災や地震、台風などで重大な損傷が発生したとしても、建て替えや大規模修繕は不可能です。
建物を解体したら、更地にしかならないため、最悪住まいを失うことにもなりかねません。

売りにくい

特に将来的に購入した物件を売ることを前提にされている方は要注意です。
再建築不可物件は安く買える分、安価でしか売れず、そもそも買い手が見つからないケースも多いです。

その要因としてはやはり再建築ができない点にあります。
法的な制限がある再建築不可物件は非常に自由度が低いです。
加えて築年数が古いのも売れにくい理由と言えます。
多くの再建築不可物件は接道義務が定められた1950年以前に建てられています。
老朽化が進み所々に劣化が見られる、耐震性能も低い、見た目も古臭い建物は、どうしても資産価値が低くみられがちです。

実際に再建築不可物件が売れなくて困られている方も少なくありません

再建築不可物件の売却は案外心配不要!?

購入金額や税金を安くできるというメリットもある一方で、再建築できない、売りにくいというデメリットもある再建築不可物件。
しかし、実は売却についてはさほど大きな問題ではありません

たしかに一般的な不動産会社や買取業者では断られたり、二束三文でしか査定してもらえなかったりする可能性はあります。
しかし、餅は餅屋。
再建築不可物件に特化した買取業者に依頼すれば、確実に、好条件で買い取ってもらえる可能性があります

再建築不可物件専門の買取業者

一般的な不動産会社や買取業者で再建築不可物件が売れないのは、物件を活用したり高値で売却したりする術がないからにほかなりません。
再建築不可物件を専門的に取り扱っている買取業者であれば、物件活用のノウハウや販売網があるため、好条件で買い取ってくれる可能性があります

実際にどこへ行っても話すら聞いてもらえなかった物件が、再建築不可物件専門の買取業者ではスムーズに買い取ってもらえたという事例も数多くあります。

再建築不可物件は一般的な不動産会社や買取業者で売れにくいという傾向があるというだけです。
必ずしも売れないというわけではありませんので、その点は安心してもいいかもしれません

長期的な見方で検討しよう

再建築不可物件は一般的な不動産と比較するとさまざまな面でリスクが高いのは、火を見るよりも明らかです。
たしかにコストが抑えられるという点では魅力的ではありますが、建て替えや増築、改築ができなかったり、売れにくかったりする側面もあります。
購入の際には、修繕やメンテナンス、あるいは売却など、長期的な目線で考えて判断するようにしましょう

すでに再建築不可物件を所有されていて売却に悩まれている方は、訳あり物件買取センターにご相談ください。
創業から30年以上、東京都、神奈川県において再建築不可物件に特化して取引を行ってきました
再建築不可物件の活用ノウハウや販売網も充実しているため、好条件かつスムーズな買取が可能です。

再建築不可物件を含めた訳あり物件の買取は、私たちにお任せください。

監修者

宮野 啓一

株式会社ティー・エム・プランニング 代表取締役

国内 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:150件
国内 訳あり物件売買取引件数:1150件
海外 不動産トラブルの訴訟・裁判解決件数:30件

※宮野個人の実績件数

宮野啓一

経歴

1964年、東京(六本木)生まれ。叔父・叔母がヨーロッパで多くの受賞歴を持つ一級建築士で、幼少期より不動産や建築が身近なものとして育つ。
日本大学卒業後、カリフォルニア州立大学アーバイン校(UCI)に入学。帰国後は大手ビルオーナー会社に就職し、不動産売買を行う。
平成3年、不動産業者免許を取得し、株式会社ティー・エム・プランニングを設立。同時期より第二東京弁護士会の (故)田宮 甫先生に師事し20年以上に渡り民法・民事執行法を学ぶ。
現在まで30年以上、「事件もの」「訴訟絡み」のいわゆる「訳あり物件」のトラブル解決・売買の実績を積む。
またバブル崩壊後の不良債権処理に伴う不動産トラブルについて、国内・海外大手企業のアドバイザーも兼務し数多くの事案を解決。
日本だけでなくアメリカや中国の訳あり物件のトラブル解決・売買にも実績があり、国内・海外の不動産トラブル解決に精通。米国には不動産投資会社を持ち、ハワイ(ワイキキ・アラモアナエリア)・ロサンゼルス(ハリウッド・ビバリーヒルズ・サンタモニカエリア)を中心に事業を行う。

対象エリア東京都・神奈川県

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